NISC PANELの特長 > 耐久性 > 表面鋼板の特長

Precoated Steel Sheet - 表面鋼板の特長

NISC PANELを支える表面処理鋼板

NISC PANELの表面材(外皮材)は、亜鉛めっきとアルミニウムめっきのすぐれた特長を併せ持った
めっき鋼板の最高峰エスジーエル®(SGL)を原板に使用。
用途や部位、意匠に合わせて選んだ5種類の塗装仕様を採用しています。

分類外壁(外皮材)屋根(外皮材)
塗装仕様の名称

耐汚染性
ポリエステル系塗装SGL

環境汚染から建物の美観をまもる高品質塗装鋼板

フッ素系塗装SGL

フッ素樹脂塗料でさらに機能アップした高級塗装鋼板

ガラス繊維強化ポリエステル系塗装SGL

ガラス繊維で塗膜を強化した艶消しの塗装鋼板

ガラス繊維強化フッ素系塗装SGL

フッ素樹脂塗料に特殊ガラス繊維を添加した最高級塗装鋼板

厚膜ウレタン系塗装SGL

抜群の耐食性に加え塗膜の厚さが通常の2倍あり傷つきにくく加工性も高い塗装鋼板
概要次世代ガルバリウム鋼板SGLを原板に、雨筋汚染などの汚れを簡単に除去できる画期的な新機能をもつ高級塗装鋼板です。建物の外観を長期間美しく保ちます。次世代ガルバリウム鋼板SGLを原板にフッ素樹脂塗料を塗布した高級塗装鋼板です。壁材に求められる耐変色性、耐候性に優れ、耐久性を飛躍的に向上させた理想的な壁材です。次世代ガルバリウム鋼板SGLを原板にガラス繊維を配合した強化塗膜(当社独自の特許技術)を持つ高級塗装鋼板です。キズが付きにくく、艶消しの落ち着いた色調に加え、表面が滑りにくいため施工性にも優れ屋根材として適しています。次世代ガルバリウム鋼板SGLを原板に特殊ガラス繊維配合のフッ素樹脂塗料(当社特許技術)を塗布し機能アップした最高級塗装鋼板です。耐変色性、耐候性に優れ、耐久性を飛躍的に向上させた上、艶消しの落ち着いた色調は、特に屋根材として重厚な仕上がりを実現します。次世代ガルバリウム鋼板SGLを原板に約40μmの厚膜塗装を塗布した最高級塗装鋼板です。厚い塗膜により腐食因子に対するバリア効果が高く、塗膜には防錆成分を多く含有しているため、優れた耐食性を発揮します。
断面構成図
クリックで拡大
ポリエステル系塗装SGLの断面構成図フッ素系塗装SGLの断面構成図ガラス繊維強化ポリエステル系塗装SGLの断面構成図ガラス繊維強化フッ素系塗装SGLの断面構成図厚膜ウレタン系塗装SGLの断面構成図
めっき鋼板エスジーエルエスジーエルエスジーエルエスジーエルエスジーエル
めっき付着量(両面3点法平均)AZ150
(150g/m²)
AZ150
(150g/m²)
AZ150
(150g/m²)
AZ150
(150g/m²)
AZ150
(150g/m²)
表面の樹脂系ポリエステル樹脂フッ素樹脂ガラス繊維強化
ポリエステル樹脂
ガラス繊維強化
フッ素樹脂
ウレタン樹脂
耐食性※2塩水噴霧(平面部)JISZ2371(ブリスターまでの時間)2,000時間
異常なし
10,000時間
異常なし
3,000時間
異常なし
10,000時間
異常なし
10,000時間
異常なし
耐候性(茶色)※2色差・光沢実曝露試験沖縄2年
△E:0.9
GR:37%
アリゾナエマキュアーテスト
600日(20年相当)
△E:2
GR:70%
沖縄3年
△E:1.2
GR:66%
沖縄3年
△E:0.6
GR:88%
沖縄3年
△E:1.8
GR:68%
耐候性(茶色)※2色差・光沢サンシャインウェザーメーター2,000Hr
△E:1.2
GR:39%
8,000Hr
△E:4
GR:60%
3,000Hr
△E:5
GR:25%
8,000Hr
△E:2
GR:80%
2,000Hr
△E:7
GR:20%
初回塗り替え時期の目安11〜15年20〜30年15〜17年20〜30年15〜20年
※1:
標準的な保証項目と最長保証年限を例示しています。個別の使用環境等により変更される場合があります。なお、保証には登録手続きが必要です。詳細は弊社営業までご相談ください。また、保証の詳細は、保証書によります。
※2:
原板がガリバリウム鋼板での値。原板がSGL鋼板では同等以上となります。
アリゾナエマキュアーテスト
米国アリゾナ州の砂漠において太陽を常に追跡しながら年間を通じ、太陽光線を試験片に集光・照射し、一定の周期で水をスプレーする促進曝露試験法で、現在最も実曝に近い試験法といわれています。
サンシャインウェザーメーター
サンシャインカーボンを使って人工的に発生したアーク光を試験板に照射し、一定の周期で水をスプレーする人工促進曝露試験法です。
△E(色差)
曝露試験板の色彩と基準板(標準板)の色彩の差異を評価するために用いられるもので、色差測定器で光学的に測定します。△E(色差)の数値が大きいほど、色褪せが大きいことになります。
GR(光沢保持率)
曝露試験板の光沢と基準板(標準板)の光沢の差異を百分率で評価したもので光沢計で測定します。GR(%)の数値が大きいほど光沢の低下が少ないことになります。

塗装技術

NISC PANELの高い機能性を支える塗装技術を解説。

フッ素系塗装

フッ素系塗装の塗膜のベースには、耐候性・耐薬品性に優れる最高水準のふっ素樹脂を採用しています。
結合エネルギーの大きい「C-F結合」を樹脂中に多く含有するため、熱や紫外線、酸などによる分解作用に強く、長期にわたり塗膜劣化を抑えます。そのため、フッ素系塗装は色褪せが少なく、耐候性に優れています。

  • フッ素樹脂の構造

    フッ素樹脂の構造イメージ
  • 原子間の結合エネルギー

    結合 kJ / mol
    C-F 485
    C-H 414
    C-C 347
    C-O 360
    光エネルギー
    (紫外域:300〜400nm)
    301〜397

    「C-F結合」の結合エネルギーは光の結合解離エネルギーより大きく、分解が生じにくい。

サンシャインウェザーメーター8,000h試験後

サンシャインウェザーメーター8,000h 試験前後の比較

※上記の試験結果は、弊社試験室での標準データであり保証値ではありません。

サンシャインウェザーメーター
サンシャインカーボンを使って人工的に発生したアーク光を試験板に照射し、一定の周期で水をスプレーする人工促進曝露試験法です。
△E(色差)
曝露試験板の色彩と基準板(標準板)の色彩の差異を評価するために用いられるもので、色差測定器で光学的に測定します。△E(色差)の数値が大きいほど、色褪せが大きいことになります。
GR(光沢保持率)
曝露試験板の光沢と基準板(標準板)の光沢の差異を百分率で評価したもので光沢計で測定します。GR(%)の数値が大きいほど光沢の低下が少ないことになります。

厚膜ウレタン系塗装

厚膜による腐食因子バリア機能に、強力なプライマーによる防錆アシスト機能を両立。独自の防食メカニズムを有した次世代の塗装鋼板です。

厚膜による優れたバリア効果。上塗り・下塗り合わせて約40μmの厚みがあり、外部からの傷付きや、腐食を引き起こす酸素・水・塩分などの浸透を防ぎます。
  • 防錆成分の含有量

    厚さが2倍で防錆成分は5倍!厚膜ウレタン系塗装鋼板
    防錆成分の含有量が多い

    防錆成分の含有量は一般カラーの5倍以上と多く、防錆力が長期間にわたって持続します。

  • 防錆成分の溶出速度

    防錆成分がただちに溶出
    防錆成分の溶出速度が速い

    防錆成分の溶出速度は一般カラーの5倍以上と速く、塗膜中に水が侵入すると、ただちに防錆成分が溶出し、めっき面や鋼板面に保護皮膜を形成。腐食を防ぎます。

遮熱機能のメカニズム

太陽光の光(日射)による鋼板の温度上昇を抑え、室内環境の改善およびヒートアイランド現象の抑制、省エネやCO2削減に貢献します。
日射に含まれる赤外線を選択的に反射する「遮熱顔料」を配合しています。これにより、赤外線による塗膜表面の温度上昇を抑え、鋼板への熱伝導を軽減します。
日鉄鋼板はこの遮熱メカニズムを日本ではじめて商品化。遮熱鋼板のパイオニア企業です。

  • 遮熱塗料:赤外線を反射
  • 通常塗料:赤外線は塗膜に吸収される

JIS G 3322:2012 塗装ガルバリウム鋼板

塗装鋼板の遮熱性に関連し、JIS G 3322:2012 塗装ガルバリウム鋼板では高い日射反射率を持つ鋼板が規定されています。日射反射率が40%以上の場合、明度L*が40以下であれば、JIS塗膜種類4~6類に分類されます。
※日射反射率の測定法:JIS K 5602による測定範囲780~2500nm(近赤外線領域)

明度の違いを示すイメージ図:用語「明度L*」とは:色の明るさを数値(0〜100)で表したもの。数値が大きいほど明るい。

耐汚染機能

表層の親水化によるセルフクリーニング効果で雨筋汚れを軽減します。

親水化発現のメカニズム親

塗料に親水化剤(シリケー卜化合物)を配合することで、塗料の硬化過程で表層に親水化剤の濃化層を形成。
その後空気中の水分で加水分解されることで表層に親水基が生成し、耐汚染機能が得られます。

図解:親水化発現のメカニズム親

※加水分解:一般に、化合物が水と反応して起こす分解反応。ここでは親水化剤(化合物)が水と反応して分解し、
親水基が生成する化学反応を指しています。

雨筋汚れ防止メカニズム

親水化した塗膜は、表面の帯電性が少なく塵撲が付着しにくくなっています。
また、降雨時には汚れを洗い流す効果(セルフクリー二ング効果)により、雨筋がつきにくくなっています。

図解:雨筋汚れ防止メカニズム

耐キズ付き性

ガラス繊維強化型塗装の表面は、樹脂に特殊なガラス繊維(グラスファイバー)を配合した強化塗膜で、ガラス繊維が塗料のつなぎの役割を果たすため、キズに強く、加工性に優れています。
キズに強いため、加工時や施工時、自然現象などによる鉄素地に至るキズを防ぎます。また、積雪地では雪滑りや雪下ろしによるキズ対策として広く使用されています。

特殊ガラス繊維の顕微鏡写真

特殊ガラス繊維の顕微鏡写真

わらを練り合わせた土壁の原理

日本では古来より、土と藁を練り合わせて土壁にする工法が用いられてきました。練り物(土)の中につなぎの役割となる繊維状の物質(藁)を混入させると強度が増し、ひび割れが起こりに難くなります。この原理をヒントに開発されたのがガラス繊維を配合させた塗膜です。

このページの最上部へ戻るTOP